国際結婚で要注意!未成年の子供を守るための遺言書の重要性

本日もお疲れさまです!

こんにちは オレゴンから ゆみです 

おかげさまで、今日も笑顔でやってます。

なんだか硬いタイトルになっちゃったけど、あなたが国際結婚をしていて、
もしあなたや夫婦揃って何かあった時、
残された子供達のこと、財産のこととかどうするかって話し合ったことはありますか?

遺言書の作成

きっと一度くらいは口頭で話したことはあるんじゃないかなって思うんだけど
でも、まだ若いからとか、財産らしきものなんてないからとかの理由で真剣に向き合ったことある方はすごく少数だと思います。

もちろんそんなことばかり考えてたらあかんねんけど

もしもし、未成年の子供を残してあなたや配偶者に何かがあった時

法によって守られるべきあなたの子供が、その法によって辛い思いをしないためにも

きっと聞いたこともないような言葉も出てくると思うけど、私も自分が経験して学んだことばかりです。
知識があったら、後回しにしてなかったら、と後悔する前に ぜひこの記事を最後まで読んでいただき役立てて欲しいです。

私は今から10年前に父を突然亡くしました。
その時父から学んだことは ”明日があると思うなよ” です。
寝たら朝が来る当たり前に思ってる事も突然なくなってしまうこともあるんです。

目次

ウィル(Will)とトラスト(Trust)の違い

まず初めに、遺産相続の際に有効な力を持つ手続き(書類)を説明していきますね!

Will と Trust どちらも 「財産をどう分けるか」 を決めるための法的な手続きに必要な公式書類のことです。
違いとどちらを選ぶべきかは順に説明していきます。

Willの場合はプロベートが必要になります。

プロベート(Probate)とは? 

遺言書が本物かどうかを裁判所が確認し、財産を分配する手続きのこと。

ウィルが本物かどうか確認する。

財産を正しく分けるための法律手続き。

ウィルがある場合でも、プロベートを経て遺産が相続人に渡る

プロベートの過程で 債務の清算や税金の支払い も行われる。

時間がかかる(数ヶ月〜1年以上)

WillとTrustがない場合もプロベートが必要です。

ウィル(Will) とは

遺言書のこと、死後に財産を分ける方法を指定できます。

生前に作成し、死後に効力が発生

裁判所のプロベート手続きが必要(時間と費用がかかる)

未成年の子供の後見人を指定できる

財産をどのように分配するか指定できる

手続きが比較的簡単で、作成費用が安い(数百ドル~)

プロベート手続きに時間と費用がかかる(数ヶ月〜1年以上かかることも)。
遺言書があっても、裁判所が正式に承認するまで相続人は財産を受け取れない。
プライバシーが守られない(プロベートの記録は公になる)
裁判所にてケースナンバーを入れることによって誰でもその過程が閲覧できます。

トラスト(Trust)とは

トラストは 生前に自分の財産を信託財産として管理し、亡くなった後にスムーズに分配するための仕組み です。

 生前に作成・管理できる(生前から財産を信託に移せる)

 プロベート不要(裁判所を通さずに直接相続人へ財産を渡せる)

 財産の受取人を自由に設定できる

プライバシーが守られる(公的記録にならない)

ウィルより作成が複雑
作成費用が高め(数千ドルかかることも)。
生前に財産をトラストに移す手間がある。(移さないと機能しません)

ウィル(Will)とトラスト(Trust)の最大の違い

どちらも『財産を誰にどう分けるか』を決めるものなのですが、
最大の違いは『いつ』効力を持つか『プロベートが必要かどうか』の二つです。

項目ウィル(Will)トラスト(Trust)
効力が発生するタイミング亡くなった後のみ作成した直後から有効(生前も管理できる)
プロベート(裁判手続き)必要(時間と費用がかかる)不要(スムーズに財産を受け継げる)
財産の管理死後に財産分与の指示をする生前・死後どちらも管理できる
費用と手間作成費用は安いが、プロベートに時間とお金がかかる作成費用は高いが、プロベート不要でスムーズ
プライバシー公開される(誰でも見れる)非公開(家族間だけで管理)

どちらを選べばいいの?

ウィルが向いている人

  • 財産が比較的少なく、プロベートの手続きがそこまで負担にならない人
  • 未成年の子供がいて、後見人を指定したい人。
  • トラストを作るほど複雑な財産がない人

トラストが向いている人

  • プロベートを避けたい人(時間と費用の節約)。
  • 財産をスムーズに相続人へ渡したい人
  • 認知症や病気になったときの財産管理も考えたい


例えば

あなたが家(不動産)と銀行口座を持っているとします。

ウィルだけを作った場合
あなたが亡くなった後、裁判所でプロベートを通し、相続人(子どもなど)に家やお金が渡ります。
→ でも 裁判手続きが終わるまで家も銀行口座も凍結される ので、すぐに使えません。

 トラストを作った場合
あなたが生前にトラストを作り、その中に家や銀行口座を入れておくと、亡くなった瞬間に相続人がスムーズに引き継げます。
→ 裁判手続きをせずに、すぐに財産を使える!

結局どっちを作るべき?

 財産が少なく、手軽に済ませたい → ウィルだけでもOK
 家や銀行口座があり、スムーズに相続させたい → トラストがあると安心!

結論

  • ウィルは死後に効力が発生し、プロベート(裁判手続き)が必要
  • トラストは生前から有効で、プロベート不要!
  • 財産が多いならトラストの方がスムーズで安心

もし!WillもTrustもなかったら

ウィルとトラストの役割と違いは理解していただけたかな?

ウィルもしくはトラストがあれば、万が一あなたや配偶者、もしくは両方に何かがあった時
財産のことで残された子供が辛い思いをしなくて済みます。

アメリカでは、各州の法律によって相続に関する規定が違います。一般的に、遺言書(Will)がない場合、州の法定相続規定(Intestate Succession Laws)に従って遺産が分配されます。
これらの規定では、配偶者や子供などの近親者が優先的に相続人とされます

夫婦間での口頭や非公式な約束だけでは、法的に認められない可能性が高いです。特に、遺言書が存在しない場合、裁判所は書面による正式な証拠を重視します。したがって、口頭の約束だけで遺産相続が有効とされる州はほとんどありません

基本的に、夫婦間や家族間で交わした署名付きの書面は、正式な遺言書(Will)トラスト(Trust)の代わりにはなりません。アメリカの相続法では、遺言書には一定の法的要件が必要であり、単なる私的な書面では要件を満たさない可能性が高いです。

お互いのサインと日付が入った書面は有効か?

アメリカは州によって違いますが、一般的には以下の理由で法的効力が認められにくいです。

  1. 正式な証人が必要
    • 多くの州では、遺言書には2名以上の証人の署名が必要とされています
      (Holographic Will※を認める州を除く)。
    • 証人のいない書面は、裁判所で無効と判断されることがあります。
  2. 公証(Notarization)が必要な場合がある
    • 遺言書や契約の法的効力を高めるためには、公証人(Notary Public)の立会いのもとで署名することが求められる州もあります。
  3. 州の法律に適合しない可能性
    • 例えば、「この紙に書かれた通りに相続する」と決めても、その書面が州の遺産相続法(Intestate Succession Laws)に違反している場合、法的に認められません。
  4. 裁判所で争われるリスク
    • 例えば、親族の誰かが「その書面は強制されたものだ」「本人の意思が適切に反映されていない」などと主張すれば、裁判で無効とされる可能性が高いです

ではどうすればいい?

✔ 少なくとも手書きの遺言(Holographic Will)を作成する

  • 一部の州では、**本人が自筆で書いた遺言書(Holographic Will)**は、証人なしでも有効と認められる場合があります(例:カリフォルニア、テキサス、アリゾナなど)。
  • ただし、手書きの遺言が認められない州もあるので要注意。

✔ 弁護士を通じて正式な遺言書を作成する

  • 法的に確実なのは、州の法律に基づいた正式な遺言書を作成することです。
  • 公証人や証人を立てることで、争いを避けられます。

✔ トラストを作成する

  • ある程度の財産がある場合、生前信託(Living Trust)を作成することで、プロベート(遺産分割の裁判所手続き)を避け、スムーズに相続を進められます。

 結論
夫婦や家族間の署名入りの書面は、遺言書の代わりにはならない可能性が高いです。
州によっては自筆の遺言書が認められる場合もありますが、法的に確実にするためには
正式なウィルまたはトラストを作成する一択です。

遺言書がなく、未成年者が遺産を相続する場合(保護者なし)

このケースが一番残された子供にとって酷い結果になるケースがよくあるんです!

アメリカでは、遺言書なしで親が亡くなった場合(Intestate Succession / 無遺言相続)、未成年の子供(18歳未満)が相続人となることは可能です。しかし、未成年者は直接遺産を管理することができないため、以下のような手続きが必要になります。

未成年者が法定相続人になった場合

 裁判所が財産管理人(Guardian of Estate)を任命する

  • 親が遺言書で財産管理者(Guardian of Estate)を指名していない場合、裁判所が適切な管理人を決定します。
  • 通常、近親者(祖父母、叔父・叔母、兄姉など)が優先されますが、適任者がいない場合、州が指定する第三者が管理することになります。

この裁判所が適切な管理人を決める!親近者にしても法が決めた管理人がどんな人となりかを訴えたところで、法律という名のもとにその言葉は通うじません。管理人という名を使って子供に行くはずの財産も使われてしまうこともあるんです。悲しいことにそれが親近者であってでもなんです。

 財産は信託口座または裁判所管理の口座で保管

  • 未成年者が18歳(または州によっては21歳)になるまでは、相続した財産は直接本人の手に渡らず、信託口座(Trust Account)や裁判所管理の口座(Blocked Account)に保管されます。
  • 財産管理人は、未成年者の生活費・教育費などのために、裁判所の許可を得て一部の資金を使うことができます。

 18歳または21歳になると、財産が本人に渡る

  • 多くの州では18歳で全額相続できますが、州によっては21歳まで引き渡しが遅れる場合もあります。
  • 一度受け取ると、本人の自由に使えるため、浪費や悪用のリスクもあります。(これを防ぐために、トラストを活用するのが一般的です。)

本人が浪費してしまうのもですが、子供のお金を悪用しようとする輩は周りにすごくいるんです!

保護者がいない場合の特別なケース

近親者がいない or 申し出がない場合

➡ 州が財産管理人(Public Guardian)を指名

  • 近親者がいない、または誰も申し出ない場合、裁判所は公共後見人(Public Guardian)や弁護士、信託会社を財産管理人として指名することがあります。
  • 州によっては、児童福祉機関が関与するケースもあります。

➡ 里親制度(Foster Care)や施設での保護もあり得る

  • 財産の管理とは別に、未成年者の生活環境(住む場所など)も決める必要があるため、里親制度や施設に預けられることもあります。

3. ウィルやトラストがないと問題が起こる理由

財産管理が裁判所の判断に任される

  • 未成年者のために適切な人が財産を管理してくれるとは限らない
  • 親が生前に「この人に管理を任せたい」と決めていないと、裁判所が決めるため、意に沿わない人が財産を管理する可能性もある。

遺言書がないと、あなたの意志は反映されない

何度も言います!遺言書(Will)がないと、州の法律に従って相続が決まるため、自分の希望どおりに財産が分配されない可能性があります。

棺の中から、それは違う!その人はダメ!とかどんなに叫んでも誰にも伝わらないよね、仮に子供のために貯めていたお年玉や貯金箱、WillもしくはTrustがなければ財産の一部とみなされて、他の財産を受け取る権利がある人と分けなければなりません。

特に、国際結婚や離婚を経験した場合、相続の問題が複雑になりやすいので、明確な意思表示をしておくことが重要です。

例えば

  • 再婚相手がいる場合:前の配偶者との子供に財産を残したい場合は、遺言書やトラストを作らないと、すべて再婚相手に相続される可能性がある。
  • 離婚後の共同親権:片方の親が亡くなったとき、子供の後見人や財産管理を誰がするのかを決めておかないと、裁判所の判断に委ねられる。
  • 国籍の違う子供がいる場合:アメリカ以外の国で暮らしている子供に財産を残したい場合、手続きがさらに複雑になる可能性がある。

ウィル(Will)とトラスト(Trust)は定期的に見直すべき?

ウィルやトラストは 「一度作成したら終わり」ではなく、定期的な見直しが必要 です。特に 人生の大きな変化 があったときには、内容を更新することをおすすめします。

ウィルとトラストの見直しが必要なタイミング

 結婚・離婚 → 配偶者を相続人から外す or 加える必要がある
 子供の誕生 or 亡くなった場合 → 新しい後見人を指定する
 財産の大きな変動 → 家や銀行口座が増減したとき
州の移動(引っ越し) → 州によって相続法が異なるため
相続人や受託者(トラスト管理者)の変更が必要な場合 → 受取人が亡くなったり、関係が変わったとき
税制や法律の変更 → 相続税や遺産に関する法律が変わることがある

ウィルとトラストの更新とタイミング

ウィル(Will)トラスト(Trust)
更新方法① 新しく作り直す(一番確実)
② 「コーディシル(Codicil)」を追加(修正のみ)
① 「トラスト修正(Amendment)」を追加(一部変更)
② 「トラスト再設定(Restatement)」(大幅変更)
頻度3~5年ごと or 大きな変化があったとき5~10年ごと or 大きな変化があったとき

トラストの方が柔軟に更新しやすい ため、長期的な相続計画を考えるならウィルよりもトラストが有利です。

まとめ

「まだ遺言書を作るのは早い」と思っている人がほとんどだと思います、国際結婚・離婚経験者こそ、財産や子供の未来を守るために、この記事をきっかけに話し合ってはいかがですか?

特に、未成年の子供がいる場合は、遺言書+トラストの活用がベスト。
「もしも」のときに大切な人を守るため、今できることを考えることが本当に大事なんです

国際結婚で多いのは離婚再婚があった場合、前妻との間に子供がいたら、その子供が成人であなたの子供が未成年だっったとしたら

何が起こるかわかりますか?

裁判所は法に基づいて未成年のあなたの子供ではなく、この財産管理(administrator)を前妻の子供に託すことになる確率が高いです。

生前に信頼関係がある家族構成、友人関係であったとしても、法の前では正式な書類と法の基づいた流れにしかいきません!裁判官も弁護士も人情で動いてくれるのはドラマの世界だけだと思っていてもいいでしょう。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

この記事があなたの一歩につながりますように。

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