本日もお疲れさまです!
こんにちは オレゴンから ゆみです
おかげさまで、今日も元気でやってます。
今日は、アメリカのDV支援現場で語られる「7コールルール」をテーマにお話します。
わたしがこの言葉を知ったのは、私がシェルターでお世話になった時でした。被害者の目が届く場所にポスターが貼ってあったんです、ポスタにーには被害者が壊れていく姿が載っていました。
DVの関係から被害者が本当に抜け出せるまでに、平均して7回も助けを求めるという現実を表していました。
そして、”7回目が“最後の電話”になってしまう人もいるのです。
この記事を読むことで、あなた自身の命を守るための一歩を見つけてほしいと思っています。
7コール・ルールとは
アメリカの警察・DV支援団体などが現場で共有している現実的な統計的観察で、
DV被害者が加害者のもとを本当に離れる決断をするまでに、平均して7回警察に助けを求めるというものです。(7回通報・相談する)とうことです。
この7回という数字を聞いてあなたはどんな感想を持ちましたか?
えっ7回も?と思ったのか、たった7回と思ったのか? ではどうして被害者がそこまでしないと加害者の元を離れられないのか?
これから順番に説明して行きますね。
アメリカの警察に多い通報内容の中でも、このDVに関する通報は”騒音トラブル”に続く通報で、2020年のロックダウン期間中には、前年比と比べて+47.8%になった都市もあったというデータもあります。
花束のたとえ──7回の“謝罪”が命を奪う

今からお話しする花束の例えは、冒頭でも少し話をしましたが、私がシェルターで見たポスターに書かれていたものです。10年以上経った今でも鮮明に覚えています。
1回目。
あなたはとにかく誰かに助けを求めたい気持ちで連絡をする。
でも、彼は涙を流して謝ってくる。
加害者は涙を流して謝ることもあります。
被害者は「信じたい」と思い、関係を修復しようとします。
2回目。
また同じことが起きる。
今度は、彼はあなたに花束を持って謝ってくる。
この花束につられて
被害者は「今回だけ許してもいいかもしれない」と思ってしまいます。
3回目。
「もう二度としない」と言いながら、次は花束とケーキを持って謝ってきます。
この段階では
被害者はまだ「変わるかもしれない」と信じてまうねんな
4回目。
助けを求めたあなたの前に、今度は花束とケーキとあなたが好きなぬいぐるみを持って謝ってきます。
「もう、一度だけ信じてくれ」と言って。
プレゼントの規模が大きくなることで、心理的な縛りが強まります。
被害者は「この人にはまだ良い面がある」と思い、心が揺れます。
5回目。
あなたは顔にあざまでできて、骨にヒビまで入りました。
「これが本当に最後」と今までより大きな花束を差し出してきます。
身体的被害が明確になっても、言葉に騙されてしまう心理が働きます。
「もうこれで本当に終わるかもしれない」と希望を抱きます。
6回目。
「命にかけてもうしない」と言って、また大きな花束と今度は指輪を持ってきます。
言葉の誓いと花束と指輪によって、心理的に加害者に縛られます。
被害者は「これで終わる」と信じようとします。
そして7回目の通報。
その花束は、あなたの墓前に備えれれるための花束になる。
悲しい現実として、7回目の暴力は命の危険を伴うことが多い。
その花束は、被害者のお葬式のための象徴になってしまうのです。
こんな言葉とともに、DVの被害者がどんどん崩れていく姿を表したポスターでした。このポスターは、シェルターでお世話になっている間、毎日目にしていました。
これは決して作り話ではありません。
7コールの数字は平均値であり、個人差はありますが、実際に警察にかかるDV通報や支援施設に逃げてくるの多くはこの繰り返しパターンです。
1回目:恐怖を感じて通報するが、すぐ戻る
2〜4回目:警察や支援機関に助けを求めるものの、「やっぱり彼を信じたい」と戻ってしまう
5〜6回目:もう限界だと思いながらも、経済的・心理的・家庭的事情で離れられない
どうして「花束」を信じてしまうのか
- 謝罪や涙を「愛情表現」と勘違いしてしまう心理
- 加害者は巧妙に被害者に「罪悪感」や「責任感」を植えつける
- 愛ではなく支配なのに、それに気づけていない人がほとんど
- DVは「優しさ」と「暴力」を繰り返すからこそ、その優しいサイクルの時期を信じてしまうねん。
なぜ1回で離れられないのか?
どうして逃げへんの?、逃げたらええやんって
誰かにそう言われたことがあるかもしれません。
あなたは決して弱いわけじゃありません。
DV関係では、加害者が暴力と優しさを交互に見せることで、心にDVの心理的支配構造(Trauma Bond)トラウマボンドが生まれます。加害者が暴力のあとに謝罪し、優しくし、希望を見せることで、
被害者は「また変わるかも」「私が支えなきゃ」「今度こそは信じよう」と思い込まされてしまうねん。
脳は「優しさ=救い」と錯覚してしまうねんなぁ。だってさぁ、好きで結婚したんやから信じたいって思ってまうよね。
それに加えて、子どもや経済的事情、ビザの問題、親族や友人の理解のなさもプラスされたらさ
何度も「助けを求めては戻る」を繰り返してしまう気持ちも私にはわかるよ。
でもね、それは愛じゃない、愛に似た何かを信じてしまう。
それがDVの心理的罠やねん。
DVの被害者と加害者の間にある『共依存の形成』この人を見捨てたくない、私が変わればいいのかも、と思い被害者は加害者に依存してまうねん。この共依存は7回目の危険を迎えるまで、この心理的なループが繰り返されてしまうねんあぁ。

気づいた今がはじめの一歩
「もう無理かもしれない」「何かおかしい、このままではあかん」と思った瞬間が、実は最初の気づきやねん。
逃げることは弱さじゃないねんで、あなたの大切な人生を生き延びるための勇気です。
この7コールルールの1回目以前に、もうあなたは何度も悩んで悩んだ末の1回目やったんちゃうかなって私は気づいてるよ。私もそうやったもん勇気いるからね、誰かに助けを求めるって。だからこそ一歩前に進んで欲しいと願ってます。

今すぐできる行動リスト
① 安全な場所を確保する
- 信頼できる友人・家族
- Safe PlaceやDVシェルター
あなたのお住まいの州、郡には支援施設があります。連絡先と場所を知っておくことを強くお勧めします。
② 証拠を残す
- 暴力の写真・動画・メッセージ
- 医療記録や診断書
親権を争う時にも有利になるし、Restraining Order(接近禁止令)も出してもらえるのも有利です。
③ 専門機関に相談
| 支援機関名 | 連絡先 | 支援内容 | 備考(多言語対応など) |
|---|---|---|---|
| National Domestic Violence Hotline (全国家庭内暴力ホットライン) | 📞 1-800-799-7233(SAFE) 💬 テキスト:“START” を 88788 へ送信 💻 チャット:thehotline.org | ・DV・モラハラ・ストーカー被害などの相談 ・安全な逃げ方の計画づくり支援 ・シェルターや法的支援先の紹介 ・24時間/無料/匿名OK | 200以上の言語で通訳対応(日本語も可) |
| VictimConnect Resource Center (被害者支援リソースセンター) | 📞/💬 1-855-484-2846(1-855-4-VICTIM) 💻 チャット:victimconnect.org | ・犯罪被害全般(家庭内暴力も含む)を対象に ・法的・心理的・経済的サポート・紹介 ・セーフティプラン(安全計画)作成支援 | 多言語対応(200以上の言語) 英語・スペイン語以外も通訳を通じて対応可能 |
電話をすぐかけられるように、スマホに登録しておくことを勧めます。
④ 逃げる準備を整える
- パスポート、身分証、子供の出生証明書
- 子どもの必需品(子供が好きな絵本、おもちゃ、等)
- 緊急連絡先リスト、少額の現金
バッグにまとめてすぐに持ち出せるようにしておく、パスポートなどの保管場所を把握しておく
私は覚悟を決めた後に、少しづつでしたが自分の身の回りのものを友人に預かってもらいました。
あなたへ伝えたいこと
あなたが悪んじゃないからね。
花束を信じてしまうのは、あなたが「愛を信じる人」やからやねん。
でも、愛は痛みや暴力の上には成り立ちません。ほんまの愛はね大切な人を泣かせることはしません。
暴力を受け続ける場所では、心から笑うことはできへんやんね、それを見て育つ子供にはどんな影響をもたらしてしまうのか?
今日が“7回目”になる前に、助けを求め欲しい。
めっちゃ勇気がいるよ、でもねその一歩が、あなたの命を守る最初の花束になります。
私の場合
行動に移すまで随分と悩みました、息子がお腹の中にいる時からこの先の人生を彼と過ごすことに対して、正直不安でいっぱいでした。でもあなたと同じように、なんとかしたかったからいろんなことを試みたし、私自身が変わる努力もしたし、セラピー行ったりね。でもある日こらえきれなくなった糸が切れました。そこからは抜け出すために、少しづつ準備をしました。こんな辛い思いを2度としたくない、このまま子供が18歳になるまでここでの生活は無理だって、腹を括りました。こんな大変な行動を2度としたくない思いから、絶対に戻らないとすごい覚悟を決めたのを覚えています。
だから私は、7回目になる前に抜け出すことができたのです
まとめ
7コールルール、初めて聞いた方もいるかもしれません。実際に私がシェルターでお世話になっていた3ヶ月間の間にも、数回出入りされていた方がいました。DVを受けていると気づいていながらも、どこかでまだ信じたいと思う気持ちとDVの周期による相手の優しさに騙されてしまうんです。
DVは暴力だけじゃないからね、モラハラも同じです。モラハラは暴力じゃないからって勘違いしてる人もいるけど、精神的暴力のカテゴリーに入るからね。
あなたの小さな勇気が、未来を変えます。
助けを求めることは恥じゃないからね。
それは、あなたと子どもの新しい人生の始まりです。
この記事があなたの、気づきのきっかけになれば嬉しいです
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

